| 1 抵当権の実行により甲土地が競売され3,000万円の配当がなされる場合、BがCに抵当権の順位を譲渡していたときは、Bに1,400万円、Cに1,600万円が配当され、BがCに抵当権の順位を放棄していたときは、Bに1,800万円、Cに1,200万円が配当される。
| 解説:○・・・1 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。(民法376条1項)より、
順位を譲渡すると順位が入れ替わるため、Cが第1順位となり、Bが第2順位となるため、Cから優先的に配当される。また、順位を放棄すると同順位となり、各自の債権額の比率に応じて、弁済を受けることになる。
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| 3 Bの抵当権設定後、Cの抵当権設定前に甲土地上に乙建物が建築され、Cが抵当権を実行した場合には、乙建物について法定地上権が成立する。
| 解説:×・・・土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。 (民法388条)より、しかし、第1順位抵当権設定時に法定地上権の要件を満たしていないと、その後、建物が建築されても、法定地上権は成立しません。
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| 2 Aが抵当権によって担保されている2,400万円の借入金全額をBに返済しても、第一順位の抵当権を抹消する前であれば、Cの同意の有無にかかわらず、AはBから新たに2,400万円を借り入れて、第一順位の抵当権を設定することができる。
| 解説:×・・・弁済(返済)により、抵当権が消滅します。第2順位の抵当権Cが第1順位の抵当権になります。
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