平成27年度

Question

【問1】 次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

2 事業のために負担した貸金債務を主たる債務とする保証契約は、保証人になろうとする者が、契約締結の日の前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示していなければ無効となる旨

民法の条文に規定されていない。

3 併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨

民法の条文に規定されていない。

4 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める旨

民法の条文に規定されている。

選択が必要

1 債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する旨

民法の条文に規定されていない。

Question

【問2】 Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において「善意」又は「悪意」とは、虚偽表示の事実についての善意又は悪意とする。

Your answer選択フィードバック正解

4 甲土地がBから悪意のCへ、Cから善意のDへと譲渡された場合、AはAB間の売買契約の無効をDに主張することができない。

○主張できない。・・・AはAB間の通謀虚偽表示について善意のDに対して所有権を主張することができない。

3 Bの債権者である善意のCが、甲土地を差し押さえた場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。

○主張できない。・・・虚偽表示の目的物を差し押さえた債権者は、利害関係を有する「第三者」に該当する。

1 善意のCがBから甲土地を買い受けた場合、Cがいまだ登記を備えていなくても、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。

○主張できない。・・・虚偽表示の無効は、取消前の善意の第三者に対抗できない。

2 善意のCが、Bとの間で、Bが甲土地上に建てた乙建物の賃貸借契約(貸主B、借主C)を締結した場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。

×主張できる。・・・虚偽表示の対象は甲土地であり、Cは同地上に建てられた乙建物についての賃借人にすぎないから、売買契約について利害関係を持つ第三者にあたらない。 そのためAはAB間の売買契約の無効をCに主張することはできるということになる。

選択が必要
Question

【問3】 AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物につき、①賃貸借契約を締結した場合と、②使用貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

2 Bは、①では、甲建物のAの負担に属する必要費を支出したときは、Aに対しその償還を請求することができるが、②では、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない。

○正しい。

3 AB間の契約は、①では諾成契約であり、②では要物契約である。

○正しい。

1 Bが死亡した場合、①では契約は終了しないが、②では契約が終了する。

○正しい。

4 AはBに対して、甲建物の瑕疵について、①では担保責任を負う場合があるが、②では担保責任を負わない。

○誤り。
使用貸借契約では同じ無償の贈与契約の担保責任が準用されているので原則として責任を負わないが、貸主が瑕疵・不存在を知りながら借主に告げなかったときは瑕疵担保責任を負うことがある。

選択が必要
Question

【問4】 A所有の甲土地を占有しているBによる権利の時効取得に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

4 甲土地が農地である場合、BがAと甲土地につき賃貸借契約を締結して20年以上にわたって賃料を支払って継続的に耕作していても、農地法の許可がなければ、Bは、時効によって甲土地の賃借権を取得することはできない。

× 誤り

時効による農地の賃借権の取得については、農地法3条 の規定の適用はない。(最判平16.07.13

1 Bが父から甲土地についての賃借権を相続により承継して賃料を払い続けている場合であっても、相続から20年間甲土地を占有したときは、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することができる。

× 誤り
「賃料を払い続けている」とあるので所有の意思はない。

3 Aから甲土地を買い受けたCが所有権の移転登記を備えた後に、Bについて甲土地所有権の取得時効が完成した場合、Bは、Cに対し、登記がなくても甲土地の所有者であることを主張することができる。

〇 正しい
Cは時効取得前の第三者なのでBとCの関係は対抗関係ではなく、Bは登記なくしてCに所有権を主張できる。
時効完成後にCが所有権移転登記を備えた場合は、AがBとCに二重譲渡している関係となり、Bから見てCは第三者。この場合は対抗するために登記が必要となる。

選択が必要

2 Bの父が11年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有した後、Bが相続によりその占有を承継し、引き続き9年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有していても、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することはできない。

× 誤り
占有は譲渡・相続などで承継できる。前占有者(父)の占有を合わせて主張すれば20年に達するので、悪意でも時効取得できる。

Question

【問5】 占有に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

1 甲建物の所有者Aが、甲建物の隣家に居住し、甲建物の裏口を常に監視して第三者の侵入を制止していたとしても、甲建物に錠をかけてその鍵を所持しない限り、Aが甲建物を占有しているとはいえない。

× 誤り

家屋の所有者が、その家屋の隣家に居住し、常に出入口を監視して容易に他人の侵入を制止できる状況にあるときは、所有者はその家屋を所持するものといえる。(最判昭27.02.19

4 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者及びその特定承継人に対して当然に提起することができる。

× 誤り
占有回収の訴えは、原則として、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない(民法200条2項本文)。例外は、その承継人が侵奪の事実を知っていたときである(同項但書)。
「当然に提起することができる」は誤り。

3 丙土地の占有を代理しているDは、丙土地の占有が第三者に妨害された場合には、第三者に対して占有保持の訴えを提起することができる。

〇 正しい
占有を代理している者も、占有保持の訴えを提起することができる(民法197条)。

選択が必要

2 乙土地の所有者の相続人Bが、乙土地上の建物に居住しているCに対して乙土地の明渡しを求めた場合、Cは、占有者が占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定を根拠として、明渡しを拒否することができる。

× 誤り

占有者が占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定(民法188条)を根拠として、明渡しを拒否することは許されない(最判昭35.03.01)。

本権(所有権、地上権、質権等の権利)を行使していない者(占有者)には、この推定規定は適用されない。

Question

【問6】 抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

1 賃借地上の建物が抵当権の目的となっているときは、一定の場合を除き、敷地の賃借権にも抵当権の効力が及ぶ。

〇 正しい

建物についての抵当権の効力は、敷地の賃借権にも及ぶ(民法370条。最判昭40.05.04)。

2 抵当不動産の被担保債権の主債務者は、抵当権消滅請求をすることはできないが、その債務について連帯保証をした者は、抵当権消滅請求をすることができる。

× 誤り
主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない(民法380条)。これらの者は、被担保債務を全額弁済すべきだからである。

選択が必要

4 土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。

〇 正しい
抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる(民法389条1項本文)。

3 抵当不動産を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を抵当権者に弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅する。

〇 正しい
代価弁済。
民法378条より、抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。

Question

【問7】 債務者Aが所有する甲土地には、債権者Bが一番抵当権(債権額2,000万円)、債権者Cが二番抵当権(債権額2,400万円)、債権者Dが三番抵当権(債権額4,000万円)をそれぞれ有しており、Aにはその他に担保権を有しない債権者E(債権額2,000万円)がいる。甲土地の競売に基づく売却代金5,400万円を配当する場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

1 BがEの利益のため、抵当権を譲渡した場合、Bの受ける配当は0円である。

  権利者 債権額 本来の配当 
一番抵当 2,000万 2,000万
二番抵当 2,400万 2,400万
三番抵当 4,000万 1,000万
担保権なし 2,000万 0万

〇 正しい

Eに抵当権を譲渡し、債権額2000万のEが2000万の配当を受け、Bの受ける配当は0円となる。

2 BがDの利益のため、抵当権の順位を譲渡した場合、Bの受ける配当は800万円である。

  権利者 債権額 本来の配当 
一番抵当 2,000万 2,000万
二番抵当 2,400万 2,400万
三番抵当 4,000万 1,000万
担保権なし 2,000万 0万

× 誤り

BからDに抵当権の順位を譲渡する場合、先にDに配分する。
B、Dの本来の配当額を合計して2000万+1000万で3000万。
債権額4000万のDに3000万、Bは残りが無いので0。

選択が必要

4 BがDの利益のため、抵当権の順位を放棄した場合、Bの受ける配当は1,000万円である。

  権利者 債権額 本来の配当 
一番抵当 2,000万 2,000万
二番抵当 2,400万 2,400万
三番抵当 4,000万 1,000万
担保権なし 2,000万 0万

〇 正しい

順位の放棄なので、BとDの配当額を債権額に応じて按分する。
BとDの本来の配当3000万(2000万+1000万)を、債権額比率2000万:4000万すなわち1:2で按分すると、Bに1000万、Dに2000万となる。

3 BがEの利益のため、抵当権を放棄した場合、Bの受ける配当は1,000万円である。

  権利者 債権額 本来の配当 
一番抵当 2,000万 2,000万
二番抵当 2,400万 2,400万
三番抵当 4,000万 1,000万
担保権なし 2,000万 0万

〇 正しい

抵当権の放棄なので、BとEの配当額を債権額に応じて按分する。
BとEの本来の配当(2000万+0)を、債権額比率2000万:2000万すなわち1:1で按分すると、BとEそれぞれ1000万となる。

Question

【問8】 同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。
ア マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ。
イ マンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と、買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない。
ウ マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。

Your answer選択フィードバック正解

3 三つ

2 二つ

1 一つ

ア × 誤り
目的物を明け渡してから、敷金返還請求権が発生する(最判昭48.02.02)。

イ × 誤り
売買契約が債務不履行を理由に解除された場合、売主の代金返還義務と買主の原状回復義務とは同時履行の関係に立つ(民法546条、533条)。

ウ 〇 正しい
売買契約において、買主の代金支払義務と売主の目的物引渡義務は同時履行の関係にある。ここでの所有権移転登記は目的物引き渡しに相当する。
売買契約は双務契約であり、各当事者の義務履行は同時履行の関係にある(民法533条)。

選択が必要

4 なし

Question

【問9】 土地の転貸借に関する次の1から4までの記述のうち、民法の規定、判例及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。
(判決文)
土地の賃借人が賃貸人の承諾を得ることなく右土地を他に転貸しても、転貸について賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるため賃貸人が民法第612条第2項により賃貸借を解除することができない場合において、賃貸人が賃借人(転貸人)と賃貸借を合意解除しても、これが賃借人の賃料不払等の債務不履行があるため賃貸人において法定解除権の行使ができるときにされたものである等の事情のない限り、賃貸人は、転借人に対して右合意解除の効果を対抗することができず、したがって、転借人に対して賃貸上地の明渡を請求することはできないものと解するのが相当である。

Your answer選択フィードバック正解

1 土地の賃借人が無断転貸した場合において賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるため賃貸人が無断転貸を理由に賃貸借契約を解除できないときであっても、賃貸借契約を合意解除したときは、賃貸人は転借人に対して賃貸土地の明渡しを請求することができる。

× 誤り
判決文は「~明渡を請求することはできない」とあるので誤り。

選択が必要

4 土地の賃借人が無断転貸した場合、転借人は、賃貸人と賃借人との間で賃貸借契約が合意解除されたとしても、賃貸人からの賃貸土地の明渡し請求を拒絶することができる場合がある。

〇 正しい

3 土地の賃借人が無断転貸した場合、賃貸人は、賃貸借契約を民法第612条第2項により解除できる場合とできない場合があり、土地の賃借人が賃料を支払わない場合にも、賃貸人において法定解除権を行使できる場合とできない場合がある。

〇 正しい

無断転貸があった場合でも、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、賃貸人が賃貸借を解除することはできない(民法612条2項。最判昭28.09.25)。

2 土地の賃貸人が転貸借について承諾を与えた場合には、賃貸人は、無断転貸を理由としては賃貸借契約を解除することはできないが、賃借人と賃貸借契約を合意解除することは可能である。

〇 正しい

Question

【問10】 遺言及び遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

4 被相続人がした贈与が遺留分減殺請求により全部失効した場合、受贈者が贈与に基づいて目的物の占有を平穏かつ公然に20年間継続したとしても、その目的物を時効取得することはできない。

選択が必要

2 自筆証書による遺言をする場合、遺言書の本文の自署名下に押印がなければ、自署と離れた箇所に押印があっても、押印の要件として有効となることはない。

1 自筆証書の内容を遺言者が一部削除する場合、遺言者が変更する箇所に二重線を引いて、その箇所に押印するだけで、一部削除の効力が生ずる。

3 遺言執行者が管理する相続財産を相続人が無断で処分した場合、当該処分行為は、遺言執行者に対する関係で無効となるが、第三者に対する関係では無効とならない。

Question

【問11】 AがBとの間で、A所有の甲建物について、期間3年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

2 賃貸借契約を期間を定めずに合意により更新した後に、AがBに書面で解約の申入れをした場合は、申入れの日から3か月後に賃貸借契約は終了する。

× 誤り
3ヶ月ではなく、6ヶ月。
期間の定めのない建物賃貸借において、賃貸人が解約の申入れをした場合、契約は申入れの日から6ヶ月を経過したときに終了する(借地借家法27条1項)。

3 Cが、AB間の賃貸借契約締結前に、Aと甲建物の賃貸借契約を締結していた場合、AがBに甲建物を引き渡しても、Cは、甲建物の賃借権をBに対抗することができる。

× 誤り
Bは既に甲建物の引渡しを受けており、これにより対抗要件を備えている(民法177条)。したがってCはBに対して甲建物の賃借権を対抗することができない。これはAC間の賃貸借契約がAB間の賃貸借契約よりも先に締結された場合であっても同様。
建物の賃借権は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる(借地借家法31条1項)。

1 AがBに対し、賃貸借契約の期間満了の6か月前までに更新しない旨の通知をしなかったときは、AとBは、期間3年、賃料月額10万円の条件で賃貸借契約を更新したものとみなされる。

× 誤り
契約期間は、定めがないものとされる。
建物の賃貸借について期間の定めがある場合、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる(借地借家法26条1項本文)。ただし、契約期間は、定めがないものとされる(同項但書)。

4 AB間の賃貸借契約がBの賃料不払を理由として解除された場合、BはAに対して、Aの同意を得てBが建物に付加した造作の買取りを請求することはできない。

〇 正しい

建物買取請求権は、賃借人の債務不履行や背信行為のために賃貸借が解除されたような場合には、適用されない(最判昭31.04.06)。

選択が必要
Question

【問12】 賃貸人と賃借人との間で、建物につき、期間5年として借地借家法第38条に定める定期借家契約(以下「定期借家契約」という。)を締結する場合と、期間5年として定期借家契約ではない借家契約(以下「普通借家契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、借地借家法第40条に定める一時使用目的の賃貸借契約は考慮しないものとする。

Your answer選択フィードバック正解

3 期間満了により賃貸借契約が終了する際に賃借人は造作買取請求をすることができない旨の規定は、定期借家契約では有効であるが、普通借家契約では無効である。

× 誤り
造作買取請求権に関する借地借家法の規定(借地借家法33条)は任意規定なので特約で排除できる。

2 賃貸借契約開始から3年間は賃料を増額しない旨の特約を定めた場合、定期借家契約においても、普通借家契約においても、当該特約は無効である。

× 誤り

定期借家契約においても、普通借家契約においても、賃料を増額しない旨の特約(不増額特約)は、有効である。

  普通賃貸借 定期賃貸借
不増額特約 有効 有効
不減額特約 無効 有効

 

1 賃借権の登記をしない限り賃借人は賃借権を第三者に対抗することができない旨の特約を定めた場合、定期借家契約においても、普通借家契約においても、当該特約は無効である。

〇 正しい
借地借家法31条1項よりも賃借人にとって不利なものであるから無効とされる。
建物の賃借権は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる(借地借家法31条1項)。この規定は、強行規定であり、これに反する特約で建物の賃借人や転借人に不利なものは無効となる(同法37条)。

選択が必要

4 賃貸人も賃借人も契約期間中の中途解約をすることができない旨の規定は、定期借家契約では有効であるが、普通借家契約では無効である。

× 誤り
どちらの記述も誤り。
定期借家契約の場合、居住の用に供する建物で、床面積200m2未満の建物について、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、中途解約できる旨を留保していなかったとしても、賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる(借地借家法38条5項)。この規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とされる(同条6項)。
普通借家契約では、原則として中途解約をすることができないが、これを改めて特約に定めたとしても有効といえる。

Question

【問13】 建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

2 集会の招集の通知は、会日より少なくとも2週間前に発しなければならないが、この期間は規約で伸縮することができる。

× 誤り
2週間前である必要はない。
招集通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示し、各区分所有者に発しなければならない(同法35条1項本文)。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる(同項但書)。

3 集会の議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の1人がこれに署名し、押印をしなければならない。

× 誤り
「1人」ではなく「2人」。
集会の議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の2人がこれに署名押印しなければならない(同法42条3項)。

1 管理者が選任されていない場合、集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、集会を招集した区分所有者の1人が議長となる。

〇 正しい
集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の1人が議長となる(区分所有法41条)。

選択が必要

4 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任することができる。この場合、任期は2年以内としなければならない。

× 誤り
任期は、特に限定されていない。
区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる(区分所有法25条1項)。

Question

【問14】 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

3 登記事項証明書の交付の請求は、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。

4 筆界特定書の写しの交付の請求は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。

× 誤り
「利害関係を有する部分」には限られない。
何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定書等の写しの交付を請求することができる(不動産登記法149条1項)。

選択が必要

1 登記事項証明書の交付の請求は、利害関係を有することを明らかにすることなく、することができる。

〇 正しい
何人も、登記事項証明書の交付を請求することができる(不動産登記法119条1項)。

2 土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図を除く登記簿の附属書類の閲覧の請求は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。

〇 正しい
何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる(不動産登記法121条2項)。ただし、土地所在図・地積測量図・地役権図面・建物図面・各階平面図以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る(同項但書、同条1項、不動産登記令21条1項)。

Question

【問15】 都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

Your answer選択フィードバック正解

2 開発許可を受けた開発区域内の土地において、当該開発許可に係る予定建築物を建築しようとする者は、当該建築行為に着手する日の30日前までに、一定の事項を都道府県知事に届け出なければならない。

3 開発許可を受けた開発区域内において、開発行為に関する工事の完了の公告があるまでの間に、当該開発区域内に土地所有権を有する者のうち、当該開発行為に関して同意をしていない者がその権利の行使として建築物を建築する場合については、都道府県知事が、支障がないと認めたときでなければ、当該建築物を建築することはできない。

4 何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内において、都道府県知事の許可を受けることなく、仮設建築物を新築することができる。

選択が必要
[toc:ul]

1 市街化区域内において開発許可を受けた者が、開発区域の規模を100m2に縮小しようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。

Question

【問16】 都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

1 第二種住居地域における地区計画については、一定の条件に該当する場合、開発整備促進区を都市計画に定めることができる。

〇 正しい
一定の条件に該当する土地の区域における地区計画については、劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供する大規模な建築物(特定大規模建築物)の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域(開発整備促進区)を都市計画に定めることができる(都市計画法12条の5第4項)。その一定の条件の一つとして、「第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域が定められている土地の区域又は用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)であること。」が挙げられている(同項4号)。

選択が必要

2 準都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、区域区分を定めることができる。

× 誤り
準都市計画区域に区域区分(市街化区域と市街化調整区域との区分)を定めることはできない。
準都市計画区域について、都市計画に定めることができるのは、以下の地域・地区に限られる(都市計画法8条2項)。
用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区、景観地区、風致地区、緑地保全地域・緑化地域、伝統的建造物群保存地区。
問題の記述は都市計画区域についてのもの。
都市計画法7条1項
都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。

4 市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りにおいて、市町村が定めた都市計画が優先する。

× 誤り
市町村ではなく、「都道府県」が定めた都市計画が優先する。
市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りにおいて、都道府県が定めた都市計画が優先する(都市計画法15条4項)。

3 工業専用地域は、工業の利便を増進するため定める地域であり、風致地区に隣接してはならない。

× 誤り
風致地区に隣接してはならないという制限はない。

Question

【問17】 建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解
[toc:ul]

3 事務所の用途に供する建築物をホテル(その用途に供する部分の床面積の合計が500m2)に用途変更する場合、建築確認は不要である。

× 誤り

事務所をホテル(特殊建築物)に用途変更する際、床面積が100m2を超えている場合は建築確認を受ける必要がある(建築基準法87条1項、建築基準法6条1項1号、建築基準法6条の2第1項)。

 

建築確認を必要とする建築物

  • 用途に供する床面積の合計が100m2を越える特殊建築物
  • 3階建て以上 or 延べ面積500m2超 or 高さ13m超 or 軒の高さ9m超の木造建築物
  • 2階建て以上 or 延べ面積200m2超の木造以外の建築物
選択が必要

2 都市計画区域外において高さ12m、階数が3階の木造建築物を新築する場合、建築確認が必要である。

〇 正しい

3階建て以上の木造建築物なので建築確認が必要。

建築確認を必要とする建築物

  • 用途に供する床面積の合計が100m2を越える特殊建築物
  • 3階建て以上 or 延べ面積500m2超 or 高さ13m超 or 軒の高さ9m超の木造建築物
  • 2階建て以上 or 延べ面積200m2超の木造以外の建築物

 

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1 防火地域及び準防火地域外において建築物を改築する場合で、その改築に係る部分の床面積の合計が10m2以内であるときは、建築確認は不要である。

〇 正しい

防火地域及び準防火地域外において建築物を増改築・移転しようとする場合で、その増改築・移転に係る部分の床面積の合計が10m2以内であるときは、建築確認を受ける必要がない(建築基準法6条2項)。

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4 映画館の用途に供する建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が300m2であるものの改築をしようとする場合、建築確認が必要である。

〇 正しい

用途に供する床面積の合計が100m2を越える特殊建築物なので建築確認が必要

建築確認を必要とする建築物

  • 用途に供する床面積の合計が100m2を越える特殊建築物
  • 3階建て以上 or 延べ面積500m2超 or 高さ13m超 or 軒の高さ9m超の木造建築物
  • 2階建て以上 or 延べ面積200m2超の木造以外の建築物
Question

【問18】 建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

2 建築物の敷地が建ぺい率に関する制限を受ける地域又は区域の2以上にわたる場合においては、当該建築物の建ぺい率は、当該各地域又は区域内の建築物の建ぺい率の限度の合計の2分の1以下でなければならない。

× 誤り
敷地割合に応じて按分します。
敷地が容積率の異なる地域にまたがる場合、その敷地の容積率の限度は、それぞれの地域に属する敷地の割合に応じて按分計算により算出された数値となる(建築基準法52条7項)。

選択が必要

3 地盤面下に設ける建築物については、道路内に建築することができる。

〇 正しい
地下の建築物は例外的に道路内に建築できる(建築基準法44条1項)。

4 建築協定の目的となっている建築物に関する基準が建築物の借主の権限に係る場合においては、その建築協定については、当該建築物の借主は、土地の所有者等とみなす。

〇 正しい
建築協定の目的となっている建築物に関する基準が建築物の借主の権限に係る場合においては、その建築協定については、当該建築物の借主は、土地の所有者等とみなす(建築基準法77条)。

1 建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、エレベーターの昇降路の部分又は共同住宅の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分の床面積は、一定の場合を除き、算入しない。

〇 正しい
容積率の算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しない(建築基準法52条6項)。

Question

【問19】 宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

Your answer選択フィードバック正解
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4 宅地造成工事規制区域内において、宅地を造成するために切土をする土地の面積が500m2であって盛土が生じない場合、切土をした部分に生じる崖の高さが1.5mであれば、都道府県知事の許可は必要ない。

〇 正しい

許可が必要な宅地造成

内容 規模
切土 高さ2m超
盛土 高さ1m超
切土+盛土 高さ2m超
切土または盛土 500m2

 

1 都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地について、宅地造成に伴う災害を防止するために必要があると認める場合には、その宅地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。

〇 正しい
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地について、宅地造成に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、その宅地の所有者、管理者、占有者、造成主又は工事施行者に対し、擁壁等の設置又は改造その他宅地造成に伴う災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができる(宅地造成等規制法16条2項)。

2 宅地造成工事規制区域の指定の際に、当該宅地造成工事規制区域内において宅地造成工事を行っている者は、当該工事について改めて都道府県知事の許可を受けなければならない。

× 誤り
許可ではなく届け出。
宅地造成工事規制区域の指定の際、すでに行なわれている宅地造成に関する工事の造成主は、指定があった日から21日以内に、都道府県知事に届け出なければならない(宅地造成等規制法15条1項)。

選択が必要

3 宅地造成に関する工事の許可を受けた者が、工事施行者を変更する場合には、遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出ればよく、改めて許可を受ける必要はない。

〇 正しい
軽微な変更は、知事に届け出るだけでよい。
宅地造成に関する工事の許可を受けた者が、工事の計画を変更しようとするときは、原則として、都道府県知事の許可を受けなければならない(宅地造成等規制法12条1項本文)。ただし、例外的に、軽微な変更にとどまる場合は、知事に届け出るだけでよい(同項但書・同条2項)。
宅地造成等規制法施行規則26条
法第12条1項 ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更は、次に掲げるものとする。
1. 造成主、設計者又は工事施行者の変更
2. 工事の着手予定年月日又は工事の完了予定年月日の変更

Question

【問20】 土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

1 仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し、仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知してする。

〇 正しい
仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し、仮換地の位置・地積・指定の効力発生のを通知してする(土地区画整理法98条5項)。

4 土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、すべて市町村に帰属する。

× 誤り
市町村とは限らない。
土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は、換地処分にかかる公告があった日の翌日において、その公共施設を管理すべき者に帰属する(土地区画整理法105条3項)。

選択が必要

3 換地計画において定められた保留地は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、施行者が取得する。

〇 正しい
換地計画において定められた保留地は、換地処分の公告があった日の翌日において、施行者が取得する(土地区画整理法104条11項)。

2 施行地区内の宅地について存する地役権は、土地区画整理事業の施行により行使する利益がなくなった場合を除き、換地処分があった旨の公告があった日の翌日以後においても、なお従前の宅地の上に存する。

〇 正しい
施行地区内の宅地について存する地役権は、宅地の上に存する他の権利と異なり、換地処分にかかる公告があった日の翌日以後においても、なお従前の宅地の上に存する(土地区画整理法104条4項)。ただし、土地区画整理事業の施行に因り行使する利益がなくなった地役権は、公告があった日が終了した時において消滅する(同条5項)。

Question

【問21】 国土利用計画法第23条の事後届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解
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3 市街化調整区域に所在する農地法第3条第1項の許可を受けた面積6,000m2の農地を購入したAは、事後届出を行わなければならない。

× 誤り
農地法3条1項の許可を要する場合には、事後届出を行う必要がない(国土利用計画法23条2項、同法施行令17条1項1号、6条7号)。

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4 市街化区域に所在する一団の土地である甲土地(面積1,500m2)と乙土地(面積1,500m2)について、甲土地については売買によって所有権を取得し、乙土地については対価の授受を伴わず賃借権の設定を受けたAは、事後届出を行わなければならない。

× 誤り
甲土地・・・1,500m2なので事後届出不要。
乙土地・・・「対価の授受を伴わず賃借権の設定を受けた」とあるので事後届出不要。

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2 市街化区域においてAが所有する面積3,000m2の土地について、Bが購入した場合、A及びBは事後届出を行わなければならない。

× 誤り
事後届出の対象だが、届出をするのは権利取得者であるBのみ(国土利用計画法23条1項)。

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1 都市計画区域外においてAが所有する面積12,000m2の土地について、Aの死亡により当該土地を相続したBは、事後届出を行う必要はない。

〇 正しい

対価を伴わない権利取得である相続は、事後届出不要。

 

参考 事後届が必要な面積

区域 面積
市街化区域 2,000m2以上
市街化調整区域と非線引区域 5,000m2以上
準都市計画区域と都市計画外 10,000m2以上

 

選択が必要
Question

【問22】 農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

3 農業者が自己所有の市街化区域外の農地に自己の居住用の住宅を建設するため転用する場合は、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。

× 誤り
農地以外に転用するので農地法4条の許可が必要。

2 農業者が自己所有の市街化区域外の農地に賃貸住宅を建設するため転用する場合は、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。

× 誤り
農地以外に転用するので農地法4条の許可が必要。

1 市街化区域内の農地を耕作目的で取得する場合には、あらかじめ農業委員会に届け出れば、法第3条第1項の許可を受ける必要はない。

× 誤り
3条は許可が必要。
市街化区域内の農地を農地以外に転用する場合、すなわち農地法4条又は5条のケースでは、許可を受ける必要はなく、あらかじめ農業委員会に届け出るだけでよい(同法4条1項7号、5条1項6号)。

4 農業者が住宅の改築に必要な資金を銀行から借りるため、市街化区域外の農地に抵当権の設定が行われ、その後、返済が滞ったため当該抵当権に基づき競売が行われ第三者が当該農地を取得する場合であっても、法第3条第1項又は法第5条第1項の許可を受ける必要がある。

〇 正しい
競売で農地を取得する場合でも原則通り。

選択が必要
Question

【問23】 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

2 日本国外に住宅用の家屋を新築した場合でも、この特例の適用を受けることができる。

1 直系尊属から住宅用の家屋の贈与を受けた場合でも、この特例の適用を受けることができる。

4 受贈者について、住宅取得等資金の贈与を受けた年の所得税法に定める合計所得金額が2,000万円を超える場合でも、この特例の適用を受けることができる。

3 贈与者が住宅取得等資金の贈与をした年の1月1日において60歳未満の場合でも、この特例の適用を受けることができる。

選択が必要
Question

【問24】 固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

3 区分所有家屋の土地に対して課される固定資産税は、各区分所有者が連帯して納税義務を負う。

× 誤り
持分割合で按分。
区分所有家屋の土地に対して課される固定資産税について、各区分所有者は、持分の割合によって按分した額を納税する義務を負う(地方税法352条の2第1項)。

1 平成27年1月15日に新築された家屋に対する平成27年度分の固定資産税は、新築住宅に係る特例措置により税額の2分の1が減額される。

× 誤り
平成27年1月15日に新築された家屋は、平成27年度分の固定資産税の課税対象にはならない。
固定資産税の課税義務者は、1月1日現在において、固定資産課税台帳に所有者として登録されている者である(地方税法359条)。

2 固定資産税の税率は、1.7%を超えることができない。

× 誤り
税率に上限なし。
固定資産税の標準税率は、1.4%である(地方税法350条1項)。
市町村は、財政上その他の必要があると認める場合においては、標準税率を超える税率を定めることができる(同法1条1項5号)。

4 市町村は、財政上その他特別の必要がある場合を除き、当該市町村の区域内において同一の者が所有する土地に係る固定資産税の課税標準額が30万円未満の場合には課税できない。

〇 正しい

  免税点
土地 30万円
家屋 20万円
償却資産 150万円

 

選択が必要
Question

【問25】 地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

4 土地鑑定委員会が標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、標準地の形状についても公示しなければならない。

〇 正しい
地価公示法6条
土地鑑定委員会は、第二条第一項の規定により標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、すみやかに、次に掲げる事項を官報で公示しなければならない。
1. 標準地の所在の郡、市、区、町村及び字並びに地番
2. 標準地の単位面積当たりの価格及び価格判定の基準日
3. 標準地の地積及び形状
4. 標準地及びその周辺の土地の利用の現況
5. その他国土交通省令で定める事項

2 正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格をいい、この「取引」には住宅地とするための森林の取引も含まれる。

〇 正しい
農地・採草放牧地・森林以外のものとするための取引である場合には、「取引」に含まれる。

1 都市計画区域外の区域を公示区域とすることはできない。

× 誤り
都市計画区域外も可能。
公示区域とは、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域をいう(地価公示法2条1項)。

選択が必要

3 土地鑑定委員会が標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定する際は、二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求めなければならない。

〇 正しい
地価公示は、土地鑑定委員会が、標準地について、毎年1回、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示するものである(地価公示法2条1項)。

Question

【問26】 次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 都市計画法に規定する工業専用地域内の土地で、建築資材置き場の用に供されているものは、法第2条第1号に規定する宅地に該当する。
イ 社会福祉法人が、高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅の貸借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。
ウ 都市計画法に規定する用途地域外の土地で、倉庫の用に供されているものは、法第2条第1号に規定する宅地に該当しない。
エ 賃貸住宅の管理業者が、貸主から管理業務とあわせて入居者募集の依頼を受けて、貸借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。

Your answer選択フィードバック正解

1 一つ

ア. 〇 正しい
用途地域内の土地なので宅地に該当する。
宅地建物取引業法において、「宅地」とは、以下のものを指す(宅地建物取引業法2条1号)。
1. 建物の敷地に供せられる土地
2. 用途地域内の土地(道路・公園・河川などは除く)

イ. × 誤り
住宅の貸借の媒介を反復継続して営むことは、宅建業に該当する(宅地建物取引業法2条2号)。

  自ら当事者 媒介・代理
売買・交換 取引 取引
貸借   取引

免許が不要なのは、
1. 国・地方公共団体
2. 信託会社
3. 破産管財人

ウ. × 誤り
用途地域外でも、建物の敷地に供せられる土地なので宅地に該当する。

エ. × 誤り
住宅の貸借の媒介を反復継続して営むことは、宅建業に該当する(宅地建物取引業法2条2号)。

選択が必要

3 三つ

4 四つ

2 二つ

Question

【問27】 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

3 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であるFの法定代理人であるGが、刑法第247条(背任)の罪により罰金の刑に処せられていた場合、その刑の執行が終わった日から5年を経過していなければ、Fは免許を受けることができない。

〇 正しい
Fは未成年なので、法定代理人Gが欠格要件を審査される。
営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者が宅建業の免許を申請する場合、未成年者本人だけでなく、その法定代理人も欠格要件チェックの対象となる(宅地建物取引業法5条1項6号)。
そして、背任の罪を犯し、罰金刑を受けた場合は、執行を終えてから5年を経過しないと免許を受けることができない(宅地建物取引業法5条1項7号、3号の2)。

2 C社の政令で定める使用人Dは、刑法第234条(威力業務妨害)の罪により、懲役1年、執行猶予2年の刑に処せられた後、C社を退任し、新たにE社の政令で定める使用人に就任した。この場合においてE社が免許を申請しても、Dの執行猶予期間が満了していなければ、E社は免許を受けることができない

〇 正しい
懲役刑のDは免許欠格者であり、Dを政令で定める使用人としているE社は免許を受けることはできない(宅地建物取引業法5条1項7号)。
なお執行猶予期間が満了すれば、DやE社はその翌日から免許取得が可能になる。

1 A社は、不正の手段により免許を取得したことによる免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分がなされるまでの間に、合併により消滅したが、合併に相当の理由がなかった。この場合においては、当該公示の日の50日前にA社の取締役を退任したBは、当該消滅の日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。

〇 正しい
宅建業者A社が不正手段で免許を取得したとして、免許取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された後、処分がなされるまでの間に合併により消滅した場合、消滅した法人において公示の日前60日以内に役員であった者は、法人の消滅から5年を経過しなければ、免許を受けることができない(宅地建物取引業法5条1項2号の3)。

4 H社の取締役Iが、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員に該当することが判明し、宅地建物取引業法第66条第1項第3号の規定に該当することにより、H社の免許は取り消された。その後、Iは退任したが、当該取消しの日から5年を経過しなければ、H社は免許を受けることができない。

× 誤り
Iは退任しているのでH社は免許を受けることができる。

選択が必要
Question

【問28】 宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aは、Bが所有する甲宅地の売却に係る媒介の依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した。このとき、Aは、法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印し、Bに交付のうえ、宅地建物取引士をしてその内容を説明させなければならない。
イ Aは、Cが所有する乙アパートの売却に係る媒介の依頼を受け、Cと専任媒介契約を締結した。このとき、Aは、乙アパートの所在、規模、形質、売買すべき価額、依頼者の氏名、都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なものを指定流通機構に登録しなければならない。
ウ Aは、Dが所有する丙宅地の貸借に係る媒介の依頼を受け、Dと専任媒介契約を締結した。このとき、Aは、Dに法第34条の2第1項に規定する書面を交付しなければならない。

Your answer選択フィードバック正解

4 なし

ア. × 誤り
宅地建物取引士に媒介契約書の説明義務はない。

イ. × 誤り
依頼者氏名は登録事項ではない。
指定流通機構への登録事項は以下のものである(宅地建物取引業法34条の2第5項、同法施行規則15条の9)。
1. 所在、規模、形質
2. 売買すべき価額
3. 法令に基づく制限で主要なもの
4. 専属専任媒介契約である場合は、その旨

ウ. × 誤り
賃貸借の媒介には、書面の作成・交付の義務なし。
媒介契約成立にあたり、書面の交付義務が発生するのは、売買または交換の場合のみである(宅地建物取引業法34条の2第1項)。

ア、イ、ウ、すべて誤り。

選択が必要

2 二つ

1 一つ

3 三つ

Question

【問29】 宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び書面の交付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

4 重要事項の説明を行う宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなくてもよいが、書面に記名押印する宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなければならない。

× 誤り
専任の宅地建物取引士である必要はない。

2 重要事項の説明及び書面の交付は、取引の相手方の自宅又は勤務する場所等、宅地建物取引業者の事務所以外の場所において行うことができる。

〇 正しい
重要事項の説明や書面の交付の場所について、制限は設けられていない(宅地建物取引業法35条1項参照)。

選択が必要

3 宅地建物取引業者が代理人として売買契約を締結し、建物の購入を行う場合は、代理を依頼した者に対して重要事項の説明をする必要はない。

× 誤り
代理を依頼した者が買主なので、重要事項の説明が必要。

1 宅地建物取引業者ではない売主に対しては、買主に対してと同様に、宅地建物取引士をして、契約締結時までに重要事項を記載した書面を交付して、その説明をさせなければならない。

× 誤り
売主に重要事項説明は不要。
35条書面(重要事項説明書)を交付・説明する相手方は、物件を取得したり、借りようとしている者である(宅地建物取引業法35条1項)。

Question

【問30】 宅地建物取引業者Aは、Bが所有する宅地の売却を依頼され、専任媒介契約を締結した。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。
ア Aは、Bが宅地建物取引業者であったので、宅地建物取引業法第34条の2第1項に規定する書面を作成しなかった。
イ Aは、Bの要望により、指定流通機構に当該宅地を登録しない旨の特約をし、指定流通機構に登録しなかった。
ウ Aは、短期間で売買契約を成立させることができると判断したので指定流通機構に登録せず、専任媒介契約締結の日の9日後に当該売買契約を成立させた。
エ Aは、当該契約に係る業務の処理状況の報告日を毎週金曜日とする旨の特約をした。

Your answer選択フィードバック正解

4 四つ

3 三つ

ア. 違反する
媒介契約については業者間でも適用され、媒介契約書作成は省略できない。

イ. 違反する
専任媒介契約の場合には、媒介契約の日から休業日数を除き7日以内(専属専任媒介契約の場合は5日以内)に、物件に関する所定事項について、指定流通機構に登録しなければならない(宅地建物取引業法34条の2第5項、同法施行規則15条の8)。これに反する特約は、無効である(同条9項)。

ウ. 違反する

エ. 違反しない
「1週間に1回以上」なので違反しない。
専任媒介契約においては、依頼者に対し、業務の処理状況を「2週間に1回以上」の頻度で報告しなければならない(専属専任媒介契約では「1週間に1回以上」。宅地建物取引業法34条の2第8項)。

選択が必要

2 二つ

1 一つ

Question

【問31】 宅地建物取引業者が、宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明を行う場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。
ア 宅地の貸借の媒介の場合、当該宅地が都市計画法の第一種低層住居専用地域内にあり、建築基準法第56条第1項第1号に基づく道路斜線制限があるときに、その概要を説明しなかった。
イ 建物の貸借の媒介の場合、当該建物が新住宅市街地開発事業により造成された宅地上にあり、新住宅市街地開発法第32条第1項に基づく建物の使用及び収益を目的とする権利の設定又は移転について都道府県知事の承認を要する旨の制限があるときに、その概要を説明しなかった。
ウ 建物の貸借の媒介の場合、当該建物が都市計画法の準防火地域内にあり、建築基準法第62条第1項に基づく建物の構造に係る制限があるときに、その概要を説明しなかった。

Your answer選択フィードバック正解

1 一つ

4 なし

3 三つ

2 二つ

ア. 違反する
斜線制限(建築基準法56条)については、宅地の貸借の契約においても説明事項とされている(宅地建物取引業法35条1項2号、同法施行令3条1項2号、2項)。

イ. 違反する
新住宅市街地開発法32条1項の規定に基づく制限は、建物の貸借の契約において説明事項とされている(宅地建物取引業法35条1項2号、同法施行令3条3項)。

ウ. 違反しない
準防火地域内の建築物の制限は、建物の貸借の契約において説明事項とされていない(宅地建物取引業法35条1項2号、同法施行令3条3項)。

以上より、宅建業法に違反するのはアとイ。

選択が必要
Question

【問32】 宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

4 建物の貸借の媒介を行う場合、契約の期間については説明する必要があるが、契約の更新については、宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面への記載事項であり、説明する必要はない。

× 誤り
契約の更新については記載不要、説明必要(宅地建物取引業法35条1項2号、同法施行規則16条の4の3第8号)。

1 建物の売買の媒介に関し、受領しようとする預り金について保全措置を講ずる場合において、預り金の額が売買代金の額の100分の10以下であるときは、その措置の概要を説明する必要はない。

× 誤り
「100分の10以下」ではなく「50万円未満」。
支払金・預り金を受領しようとする場合には、「保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要」を説明しなければならない(宅地建物取引業法35条1項11号)。
ただし、支払金・預り金が50万円未満の場合には、そもそも「支払金・預り金」に該当しない(同法施行規則16条の3第1号)。したがって、必ずしも重要事項説明書に記載する必要がない。

3 建物の貸借の媒介を行う場合、消費生活用製品安全法に規定する特定保守製品の保守点検に関する事項を説明しなければならない。

× 誤り
消費生活用製品安全法に規定する特定保守製品の保守点検に関する事項は、重要事項とされていない。

2 宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地について借地借家法第22条に規定する定期借地権を設定しようとするときは、その旨を説明しなければならない。

〇 正しい

選択が必要
Question

【問33】 宅地建物取引業者A及びB(ともに消費税課税事業者)が受領した報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものの組合せはどれか。なお、この問において「消費税等相当額」とは、消費税額及び地方消費税額に相当する金額をいうものとする。
ア 土地付新築住宅(代金3,000万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aは売主から代理を、Bは買主から媒介を依頼され、Aは売主から207万3,600円を、Bは買主から103万6,800円を報酬として受領した。
イ Aは、店舗用建物について、貸主と借主双方から媒介を依頼され、借賃1か月分20万円(消費税等相当額を含まない。)、権利金500万円(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもので、消費税等相当額を含まない。)の賃貸借契約を成立させ、貸主と借主からそれぞれ22万5,000円を報酬として受領した。
ウ 居住用建物(借賃1か月分10万円)について、Aは貸主から媒介を依頼され、Bは借主から媒介を依頼され、Aは貸主から8万円、Bは借主から5万4,000円を報酬として受領した。なお、Aは、媒介の依頼を受けるに当たって、報酬が借賃の0.54か月分を超えることについて貸主から承諾を得ていた。

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3 ア、ウ

ア. 違反する
両者合計で311万400円を受領しており、合計の限度額を超えているので違反。
Bの限度額 3,000万円×3%+6万円=96万円、消費税課税業者なので96万円×1.08=103万6,800円
Aの限度額 代理業者なのでBの倍、すなわち207万3,600円
合計の限度額 媒介報酬限度額の倍、すなわち207万3,600円

イ. 違反しない
(500万円×3%+6万円)×1.08=22万6800円
Aは貸主と借主それぞれから22万6,800円、合計45万3600円を限度に報酬を受領できる。

ウ. 違反する
合計で13万4,000円を受領しており、合計の限度額を超えているので違反。
Aが貸主から受け取る報酬の限度額
 報酬が借賃の半月分を超えることについて承諾を得ているので、10万円×1.08=10万8,000円
Bが借主から受け取る報酬の限度額
 借賃の半月分+税、5万×1.08=5万4,000円
合計の限度額
 借賃の1月分+税、すなわち10万8,0000円

選択が必要

4 ア、イ、ウ

2 イ、ウ

1 ア、イ

Question

【問34】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

3 Aは、Bから喫茶店で建物の買受けの申込みを受け、翌日、同じ喫茶店で当該建物の売買契約を締結した際に、その場で契約代金の2割を受領するとともに、残代金は5日後に決済することとした。契約を締結した日の翌日、AはBに当該建物を引き渡したが、引渡日から3日後にBから宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフによる契約の解除が書面によって通知された。この場合、Aは、契約の解除を拒むことができない。

〇 正しい
Bはクーリングオフでき、Aは契約解除を拒むことができない。
クーリングオフについて書面で説明していない。→クーリングオフできる。仮に買受時に説明したとしても、8日以内なのでクーリングオフできる。
建物の引渡しを受けているが、代金の2割しか支払っていない。→全額支払いかつ引渡しを受けているわけではないので、クーリングオフできる。

選択が必要

2 Aは、Bとの間における建物の売買契約において、「AがBに対して瑕疵担保責任を負う期間は、建物の引渡しの日から1年間とする」旨の特約を付した。この場合、当該特約は無効となり、BがAに対して瑕疵担保責任を追及することができる期間は、当該建物の引渡しの日から2年間となる。

× 誤り
買主にとって不利な特約「引渡しの日から1年間」は無効。
瑕疵担保責任の期間について特約する場合、「引渡しの日から2年以上」としなければならず、これよりも買主に不利な特約は無効である(宅地建物取引業法40条1項・2項)。

1 Cが建物の所有権を有している場合、AはBとの間で当該建物の売買契約を締結してはならない。ただし、AがCとの間で、すでに当該建物を取得する契約(当該建物を取得する契約の効力の発生に一定の条件が付されている。)を締結している場合は、この限りではない。

× 誤り
宅建業者は、自己の所有に属しない宅地・建物について、自ら売主となる売買契約を締結することができない(宅地建物取引業法33条の2)。

4 AB間の建物の売買契約における「宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフによる契約の解除の際に、AからBに対して損害賠償を請求することができる」旨の特約は有効である。

× 誤り
このような特約は無効。
クーリング・オフは無条件解除であり、宅建業者は損害賠償や違約金の支払いを請求することができない(宅地建物取引業法37条の2第1項)。

Question

【問35】 宅地建物取引業法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

1 「宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない」との規定があるが、宅地建物取引士については、規定はないものの、公正かつ誠実に宅地建物取引業法に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならないものと解されている。

× 誤り
宅地建物取引士についても規定あり。
宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない(宅地建物取引業法15条)。

3 「宅地建物取引士は、宅地建物取引業を営む事務所において、専ら宅地建物取引業に従事し、これに専念しなければならない」との規定がある。

× 誤り
このような規定はない。

4 「宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない」との規定があり、「宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない」との規定がある。

〇 正しい
宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない(宅地建物取引業法31条の2)。
宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない(宅地建物取引業法15条の3)。

選択が必要

2 「宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」との規定がある。

× 誤り
条文では、「宅地建物取引業の業務に従事するとき」の文言なし。
宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない(宅地建物取引業法15条の2)。

Question

【問36】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物(代金2,400万円)の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aは、Bとの間における建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を480万円とし、かつ、違約金の額を240万円とする特約を定めた。この場合、当該特約は全体として無効となる。
イ Aは、Bとの間における建物の売買契約の締結の際、原則として480万円を超える手付金を受領することができない。ただし、あらかじめBの承諾を得た場合に限り、720万円を限度として、480万円を超える手付金を受領することができる。
ウ AがBとの間で締結する売買契約の目的物たる建物が未完成であり、AからBに所有権の移転登記がなされていない場合において、手付金の額が120万円以下であるときは、Aは手付金の保全措置を講じることなく手付金を受領することができる。

Your answer選択フィードバック正解

1 一つ

ア. × 誤り
全てが無効となるわけではない。10分の2を超える部分について無効になる。
損害賠償の予定額と違約金の額を合算した額が代金の10分の2を超えることは禁止されている(宅地建物取引業法38条1項)。

イ. × 誤り
買主Bの承諾を得ても例外とはならない。
宅建業者が売主として、業者でない者と宅地建物の売買をするときは、代金の10分の2を超える手付金を受領することができない(宅地建物取引業法39条1項)。

ウ. 〇 正しい
120万円は、代金の5%(120万円)を超えていないので保全措置不要。
「超える」は「>」、「=」を含まない。

正しいのは一つ。

選択が必要

4 なし

3 三つ

2 二つ

Question

【問37】 次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「建築確認」とは、建築基準法第6条第1項の確認をいうものとする。

Your answer選択フィードバック正解

2 宅地建物取引業者は、建築確認が必要とされる建物の建築に関する工事の完了前において、建築確認の申請中である場合は、その旨を表示すれば、自ら売主として当該建物を販売する旨の広告をすることができる。

× 誤り
建築確認後でなければならない。
建物建築に関する工事の完了前においては、建築確認があった後でなければ、建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない(宅地建物取引業法33条)。

4 宅地建物取引業者は、建築確認が必要とされる建物の建築に関する工事の完了前において、建築確認の申請中である場合は、建築確認を受けることを停止条件とする特約を付ければ、自ら売主として当該建物の売買契約を締結することができる。

× 誤り
建築確認後でなければならない。
建築建築に関する工事の完了前においては、建築確認があった後でなければ、売買契約を締結することができない(宅地建物取引業法36条)。

3 宅地建物取引業者は、建築確認が必要とされる建物の建築に関する工事の完了前においては、建築確認を受けた後でなければ、当該建物の貸借の代理を行う旨の広告をしてはならない。

〇 正しい
建物建築に関する工事の完了前においては、建築確認があった後でなければ、建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない(宅地建物取引業法33条)。

選択が必要

1 宅地建物取引業者は、建築確認が必要とされる建物の建築に関する工事の完了前においては、建築確認を受けた後でなければ、当該建物の貸借の媒介をしてはならない。

× 誤り
売買(交換)契約はできないが、貸借契約の代理・媒介はできる。
宅地造成・建物建築に関する工事の完了前においては、開発許可・建築確認があった後でなければ、宅地・建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない(宅地建物取引業法36条)。

Question

【問38】 宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aが売主を代理して中古マンションの売買契約を締結した場合において、瑕疵担保責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、当該書面を、売主及び買主に交付しなければならない。
イ Aが媒介により中古戸建住宅の売買契約を締結させた場合、Aは、引渡しの時期又は移転登記の申請の時期のいずれかを37条書面に記載しなければならず、売主及び買主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。
ウ Aが自ら貸主として宅地の定期賃貸借契約を締結した場合において、借賃の支払方法についての定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、借主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。
エ Aが自ら買主として宅地の売買契約を締結した場合において、当該宅地に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、売主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。

Your answer選択フィードバック正解

4 四つ

3 三つ

2 二つ

ア. 〇 正しい

イ. × 誤り
「いずれか」が点が誤り。
売買契約の場合、引渡時期と移転登記の申請時期の両方が必要的記載事項である(宅地建物取引業法37条1項4号・5号)。

ウ. × 誤り
「自ら貸主」は、「宅建業」に該当しない(宅地建物取引業法2条2号)。

エ. 〇 正しい
売買契約の場合、租税その他の公課の負担に関する定めは、任意的記載事項である(宅地建物取引業法37条1項12号)。

正しいものは、アとエの2つ。

選択が必要

1 一つ

Question

【問39】 宅地建物取引業者Aが自ら売主となる売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

4 宅地建物取引業者でない買主Eとの間で締結した宅地の売買契約において、当該宅地の引渡しを当該売買契約締結の日の1月後とし、当該宅地の瑕疵を担保すべき責任を負う期間について、当該売買契約を締結した日から2年間とする特約を定めることができる。

× 誤り
「引渡しから2年間」より短いので誤り。
契約締結の1か月後に引渡しなので、瑕疵担保期間が1年11ヶ月となる。

2 宅地建物取引業者でない買主Cとの間で土地付建物の売買契約を締結するに当たって、Cが建物を短期間使用後取り壊す予定である場合には、建物についての瑕疵担保責任を負わない旨の特約を定めることができる。

× 誤り
民法よりも買主に不利な特約「瑕疵担保責任を負わない」はできない。
「瑕疵担保期間を引渡しの日から2年以上」とする特約は可能(宅地建物取引業法40条1項)。

3 宅地建物取引業者Dとの間で締結した建築工事完了前の建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を代金の額の30%と定めることができる。

〇 正しい
業者間なので8種制限の適用なし(宅地建物取引業法38条1項、宅地建物取引業法78条2項)。

選択が必要

1 宅地建物取引業者でない買主Bが、法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフについてAより書面で告げられた日から7日目にクーリング・オフによる契約の解除の書面を発送し、9日目にAに到達した場合は、クーリング・オフによる契約の解除をすることができない。

× 誤り
7日目に契約解除の書面を発送している時点でクーリングオフの効力は発生している。

Question

【問40】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aは、Bとの間で建築工事完了後の建物に係る売買契約(代金3,000万円)において、「Aが契約の履行に着手するまでは、Bは、売買代金の1割を支払うことで契約の解除ができる」とする特約を定め、Bから手付金10万円を受領した。この場合、この特約は有効である。
イ Aは、Bとの間で建築工事完了前の建物に係る売買契約(代金3,000万円)を締結するに当たり、保険事業者との間において、手付金等について保証保険契約を締結して、手付金300万円を受領し、後日保険証券をBに交付した。
ウ Aは、Bとの間で建築工事完了前のマンションに係る売買契約(代金3,000万円)を締結し、その際に手付金150万円を、建築工事完了後、引渡し及び所有権の登記までの間に、中間金150万円を受領したが、合計額が代金の10分の1以下であるので保全措置を講じなかった。

Your answer選択フィードバック正解

3 三つ

2 二つ

1 一つ

4 なし

ア. × 誤り
手付金10万円の放棄で契約解除できなければならない。売買代金の1割(300万円)を支払わなければ解除ができないとする特約は、買主に不利なものであり、無効。
宅建業者が自ら売主となる場合の手付は解約手付とされ、「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる」(宅地建物取引業法39条2項)。そして、これより買主に不利な特約は無効である(宅地建物取引業法39条3項)。

イ. × 誤り
「後日保険証券をBに交付した」とあり、保全措置を講じないで手付金を受け取っているので誤り。
保全措置として保証保険契約を利用する場合、保証保険契約を締結するだけでなく、「保険証券又はこれに代わるべき書面を買主に交付すること」が必要である(宅地建物取引業法41条1項2号)。
未完成物件に関する売買契約であるから、代金の5%(150万円)または1,000万円を超える手付金等につき、保全措置が必要である(宅地建物取引業法41条1項)。

ウ. × 誤り
保全措置が必要。
手付金等には中間金も含まれ、手付金150万円と中間金150万円の計300万円の手付金等について保全措置が必要。
未完成物件なので、代金の5%(150万円)または1,000万円を超える手付金等について保全措置が必要。

ア、イ、ウ、すべて誤り。

選択が必要
Question

【問41】 宅地建物取引業者が売主である新築分譲マンションを訪れた買主Aに対して、当該宅地建物取引業者の従業者Bが行った次の発言内容のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはいくつあるか。
ア A:眺望の良さが気に入った。隣接地は空地だが、将来の眺望は大丈夫なのか。
  B:隣接地は、市有地で、現在、建築計画や売却の予定がないことを市に確認しました。将来、建つとしても公共施設なので、市が眺望を遮るような建物を建てることは絶対ありません。ご安心ください。
イ A:先日来たとき、5年後の転売で利益が生じるのが確実だと言われたが本当か。
  B:弊社が数年前に分譲したマンションが、先日高値で売れました。このマンションはそれより立地条件が良く、また、近隣のマンション価格の動向から見ても、5年後値上がりするのは間違いありません。
ウ A:購入を検討している。貯金が少なく、手付金の負担が重いのだが。
  B:弊社と提携している銀行の担当者から、手付金も融資の対象になっていると聞いております。ご検討ください。
エ A:昨日、申込証拠金10万円を支払ったが、都合により撤回したいので申込証拠金を返してほしい。
  B:お預かりした10万円のうち、社内規程上、お客様の個人情報保護のため、申込書の処分手数料として、5,000円はお返しできませんが、残金につきましては法令に従いお返しします。

Your answer選択フィードバック正解

4 なし

1 一つ

ア. 違反する
「絶対ありません」が断定的判断の提供に該当。
宅建業者が、宅建業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、相手方等に対し、当該契約の目的物である宅地又は建物の将来の環境又は交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供することは、禁止されている(宅地建物取引業法47条の2第3項、同法施行規則16条の12第1項イ)。

イ. 違反する
「間違いありません」が断定的判断の提供に該当。
宅建業者が、宅建業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為は、禁止されている(宅地建物取引業法47条の2第1項)

ウ. 違反しない
ローンあっせんは宅建業法に違反しない。
手付金の貸し付け、後日支払いや分割払いを認めるのは宅建業法違反。手付けについて貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為」は禁止されている(宅地建物取引業法47条3号)。

エ. 違反する
返金しなければならない。
「相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと」は宅建業法に違反する(宅地建物取引業法47条の2第3項、同法施行規則16条の12第2号)。

選択が必要

2 二つ

3 三つ

Question

【問42】 営業保証金を供託している宅地建物取引業者Aと宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者Bに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

3 AとBが、それぞれ主たる事務所の他に3か所の従たる事務所を有している場合、Aは営業保証金として2,500万円の供託を、Bは弁済業務保証金分担金として150万円の納付をしなければならない。

〇 正しい

    本店 支店 必要な金額
A 営業保証金 1,000万 500万 1,000万+500万×3=2,500万を供託
B 弁済業務保証金分担金 60万 30万 60万+30万×3=150万円を納付

宅建業を営むにあたって供託すべき営業保証金は、主たる事務所につき1,000万円、従たる事務所1か所につき500万円である(宅地建物取引業法25条2項、同法施行令2条の4)。

弁済業務保証金分担金は、主たる事務所につき60万円、従たる事務所1か所につき30万円である(宅地建物取引業法64条の9第11項、同法施行令7条)。

選択が必要

4 宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、Aに関する債権にあってはAが供託した営業保証金についてその額を上限として弁済を受ける権利を有し、Bに関する債権にあってはBが納付した弁済業務保証金分担金についてその額を上限として弁済を受ける権利を有する。

× 誤り
「弁済業務保証金分担金」60万円に限定されるわけではない。
弁済の限度はAもBも同じ。
保証協会の社員と宅建業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、当該社員が社員でないとしたならばその者が供託すべき営業保証金の額に相当する額の範囲内において、保証協会が供託した弁済業務保証金について、弁済を受ける権利を有する(宅地建物取引業法64条の8第1項)。

2 一部の事務所を廃止した場合において、営業保証金又は弁済業務保証金を取り戻すときは、A、Bはそれぞれ還付を請求する権利を有する者に対して6か月以内に申し出るべき旨を官報に公告しなければならない。

× 誤り
公告不要。「社員の地位を失ったとき」は必要。

1 新たに事務所を設置する場合、Aは、主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべき営業保証金に、Bは、保証協会に納付すべき弁済業務保証金分担金に、それぞれ金銭又は有価証券をもって充てることができる。

× 誤り
保証協会の場合は金銭のみ。
保証協会の社員である宅建業者が新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない(宅地建物取引業法64条の9第2項)。
宅建業者は、事業の開始後新たに事務所を設置したときは、その事務所に関する営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない(宅地建物取引業法26条1項)。この供託は、金銭のみならず、一定の有価証券(国債証券、地方債証券など国土交通省令で定めるもの)をもって行うこともできる(宅地建物取引業法26条2項、25条3項)。

Question

【問43】 宅地建物取引業法の規定に基づく監督処分等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

2 甲県に本店、乙県に支店を設置する宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)は、自ら売主となる乙県内におけるマンションの売買の業務に関し、乙県の支店において当該売買の契約を締結するに際して、代金の30%の手付金を受領した。この場合、Bは、甲県知事から著しく不当な行為をしたとして、業務停止の処分を受けることがある。

× 誤り
30%は違反。また甲県知事が業務停止処分を行うことはできない。
自ら売主となる宅地・建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することは、宅建業法に違反する(宅地建物取引業法39条1項)。
宅建業者Bの免許権者である国土交通大臣又はBが業務を行った都道府県の知事である乙県知事は、業務停止の処分をすることができる(宅地建物取引業法65条2項、4項)。

選択が必要

1 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、自ら売主となる乙県内に所在する中古住宅の売買の業務に関し、当該売買の契約においてその目的物の瑕疵を担保すべき責任を負わない旨の特約を付した。この場合、Aは、乙県知事から指示処分を受けることがある。

〇 正しい
違反するので都道府県知事は指示処分できる。
自ら売主となる宅地・建物の売買契約において、瑕疵担保責任を負わない旨の特約をすることは、宅建業法に違反する(宅地建物取引業法40条1項)。
宅建業者が宅建業法に違反した場合には、その宅建業者が業務を行った都道府県の知事は、必要な指示をすることができる(宅地建物取引業法65条3項)。

3 宅地建物取引業者C(甲県知事免許)は、乙県内に所在する土地の売買の媒介業務に関し、契約の相手方の自宅において相手を威迫し、契約締結を強要していたことが判明した。この場合、甲県知事は、情状が特に重いと判断したときは、Cの宅地建物取引業の免許を取り消さなければならない。

〇 正しい
宅建業者等は、宅建業に係る契約を締結させ、又は宅建業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため相手方等を威迫してはならない(宅地建物取引業法47条の2第2項)。
情状が特に重い場合には、免許権者は、免許を取り消さなければならない(宅地建物取引業法66条1項9号)。

4 宅地建物取引業者D(国土交通大臣免許)は、甲県内に所在する事務所について、業務に関する帳簿を備えていないことが判明した。この場合、Dは、甲県知事から必要な報告を求められ、かつ、指導を受けることがある。

〇 正しい
国土交通大臣はすべての宅建業者に対して、都道府県知事は当該都道府県の区域内で宅建業を営む宅建業者に対して、宅建業の適正な運営を確保し、又は宅建業の健全な発達を図るため必要な指導、助言及び勧告をすることができる(宅地建物取引業法71条)。

Question

【問44】 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が乙県内に所在するマンション(100戸)を分譲する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

3 Aが宅地建物取引業者Cに販売の代理を依頼し、Cが乙県内に案内所を設置して契約の締結業務を行う場合、A又はCが専任の宅地建物取引士を置けばよいが、法第50条第2項の規定に基づく届出はCがしなければならない。

× 誤り
どちらも案内所を設置したCの義務。

1 Aが宅地建物取引業者Bに販売の代理を依頼し、Bが乙県内に案内所を設置する場合、Aは、その案内所に、法第50条第1項の規定に基づく標識を掲げなければならない。

× 誤り
案内所を設置したBに設置義務。
案内所を設置して販売代理行為を行う場合、その案内所には、標識を掲示しなければならない(宅地建物取引業法50条1項、同法施行規則19条1項4号)。

2 Aが案内所を設置して分譲を行う場合において、契約の締結又は契約の申込みの受付を行うか否かにかかわらず、その案内所に法第50条第1項の規定に基づく標識を掲げなければならない。

〇 正しい
案内所を設置して分譲を行う場合、その案内所には、標識を掲示しなければならない(宅地建物取引業法50条1項、同法施行規則19条1項3号)。

選択が必要

4 Aが甲県内に案内所を設置して分譲を行う場合において、Aは甲県知事及び乙県知事に、業務を開始する日の10日前までに法第50条第2項の規定に基づく届出をしなければならない。

× 誤り
甲県知事のみに案内所の設置届出をすればよい。
案内所を設置して販売代理行為を行う場合、その案内所で契約の締結又は契約の申込みの受付を行うときは、業務開始の10日前までに、免許権者及び案内所所在地の知事に届け出る必要がある(宅地建物取引業法50条2項、同法施行規則19条3項)。

Question

【問45】 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

2 自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする場合、宅地建物取引業者でない買主へのその住宅の引渡しまでに、買主に対し、保証金を供託している供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明しなければならない。

× 誤り
「住宅の引渡しまでに」ではなく、「売買契約を締結するまでに」。
宅建業者は、自ら売主となる新築住宅の買主に対し、売買契約を締結するまでに、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしている供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明しなければならない(住宅瑕疵担保履行法15条)。

3 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない。

× 誤り
「基準日以後」ではない。基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後。
自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る資力確保措置の状況の届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない(住宅瑕疵担保履行法13条)。

4 住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結している宅地建物取引業者は、当該保険に係る新築住宅に、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分の隠れた瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)がある場合に、特定住宅販売瑕疵担保責任の履行によって生じた損害について保険金を請求することができる。

〇 正しい

選択が必要

1 宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、その住宅を引き渡す場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。

× 誤り
買主も宅建業者なので、資力確保措置は不要(住宅瑕疵担保履行法2条5項2号ロ)。

Question

【問46】 独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

3 証券化支援事業(買取型)において、機構は、いずれの金融機関に対しても、譲り受けた貸付債権に係る元金及び利息の回収その他回収に関する業務を委託することができない。

× 誤り
委託できる。

選択が必要

4 機構は、災害により住宅が滅失した場合におけるその住宅に代わるべき住宅の建設又は購入に係る貸付金について、一定の元金返済の据置期間を設けることができる。

〇 正しい

2 証券化支援事業(買取型)において、機構による譲受けの対象となる貸付債権は、償還方法が毎月払いの元利均等の方法であるものに加え、毎月払いの元金均等の方法であるものもある。

〇 正しい

1 機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事又は耐震改修工事に係る貸付けについて、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている。

〇 正しい

Question

【問47】 宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

2 新築分譲マンションの広告に住宅ローンについても記載する場合、返済例を表示すれば、当該ローンを扱っている金融機関や融資限度額等について表示する必要はない。

× 誤り
返済例だけ表示するのは不当表示に該当。
広告に住宅ローンについて記載する場合、

  1. 金融機関の名称・商号又は都市銀行・地方銀行・信用金庫等の種類
  2. 提携ローン・紹介ローンの別
  3. 融資限度額
  4. 借入金の利率及び利息を徴する方式・返済例

を明示する必要がある(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則10条44号)。

3 販売しようとしている土地が、都市計画法に基づく告示が行われた都市計画道路の区域に含まれている場合は、都市計画道路の工事が未着手であっても、広告においてその旨を明示しなければならない。

〇 正しい

選択が必要

1 新築分譲マンションを数期に分けて販売する場合に、第1期の販売分に売れ残りがあるにもかかわらず、第2期販売の広告に「第1期完売御礼!いよいよ第2期販売開始!」と表示しても、結果として第2期販売期間中に第1期の売れ残り分を売り切っていれば、不当表示にはならない。

× 誤り
不当表示に該当。

4 築15年の企業の社宅を買い取って大規模にリフォームし、分譲マンションとして販売する場合、一般消費者に販売することは初めてであるため、「新発売」と表示して広告を出すことができる。

× 誤り
新発売ではない。

Question

【問48】 次の記述のうち、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

1 国土交通省が毎月公表する不動産価格指数(住宅)のうち、全国のマンション指数は、リーマンショックが発生した年である2008年以降2015年3月まで一貫して下落基調となっている。

× 誤り
リーマンショックの2008年以降、2015年3月までほぼ上昇基調。

3 平成25年度法人企業統計年報(平成26年9月公表)によれば、平成25年度の不動産業の売上高経常利益率は、消費税率引上げの影響もあり、前年度と比べて低下し、全産業の売上高経常利益率よりも低くなった。

× 誤り

2 建築着工統計(平成27年1月公表)によれば、平成26年の新設住宅着工戸数は、消費税率引上げ前の駆け込み需要の影響が大きかった平成25年と比較すると減少したが、平成24年の新設住宅着工戸数を上回っていた。

〇 正しい

選択が必要

4 平成27年版土地白書(平成27年3月公表)によれば、土地取引について、売買による所有権の移転登記の件数でその動向を見ると、平成26年の全国の土地取引件数は3年連続の減少となった。

× 誤り
3年ぶりに減少した。

Question

【問49】 土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

1 我が国の低地は、ここ数千年の間に形成され、湿地や旧河道であった若い軟弱な地盤の地域がほとんどである。

適当

3 台地上の池沼を埋め立てた地盤は、液状化に対して安全である。

不適当
埋め立てた地盤の台地では液状化現象を起こしやすい。

選択が必要

4 都市周辺の丘陵や山麓に広がった住宅地は、土砂災害が起こる場合があり、注意する必要がある。

適当

2 臨海部の低地は、洪水、高潮、地震による津波などの災害が多く、住宅地として利用するには、十分な防災対策と注意が必要である。

適当

Question

【問50】 建物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

1 木造は湿気に強い構造であり、地盤面からの基礎の立上がりをとる必要はない。

不適当
木材は湿気に弱い。

選択が必要

4 建物は、上部構造と基礎構造からなり、基礎構造は上部構造を支持する役目を負うものである。

適当

2 基礎の種類には、直接基礎、杭基礎等がある。

適当
直接基礎とは、地盤自体で構造物を支える方式。建築物の自重が小さい場合や地盤が良好である場合に用いる。
杭基礎とは、地盤に深く打ち込んだ杭によって構造物を支える方式。

3 杭基礎には、木杭、既製コンクリート杭、鋼杭等がある。

適当

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