権利変動

Question 1

【問12】借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

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2 定期建物賃貸借契約を締結するときは、期間を1年未満としても、期間の定めがない建物の賃貸借契約とはみなされない。

正しい。借地借家法上、期間を1年未満とする建物の賃貸借は、原則として期間の定めがないものとみなされるが(借地借家法 29 条1項)、この規定は定期建物賃貸借には適用がないから(借地借家法 38 条1項)、期間を1年未満としても、期間の定めのいない賃貸借とはみなされない。

選択済み

1 定期建物賃貸借契約を締結するには、公正証書による等書面によらなければならない。

正しい。定期建物賃貸借を締結する場合には、公正証書等の書面によらなければならない(借地借家法38条)。書面であれば、公正証書でなくてもよいことに注意。

3 定期建物賃貸借契約を締結するには、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを、当該契約書と同じ書面内に記載して説明すれば足りる。

誤りで正解。定期建物賃貸借をしようとするときは、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、定期建物賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借は終了することについて、その旨を記載した契約書とは別の書面を交付して説明しなければならない(判例)。契約書と同じ書面内に記載して説明すれば足りるわけではない。

選択が必要

4 定期建物賃貸借契約を締結しようとする場合、賃貸人が、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを説明しなかったときは、契約の更新がない旨の定めは無効となる。

正しい。肢3での解説のような説明をしなかった場合には、契約の更新がない旨の定めは無効となる(借地借家法38条3項)

Question 2

【問5】A所有の土地の占有者がAからB、BからCと移った場合のCの取得時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

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2 Bが所有の意思をもって5年間占有し、CがBから土地の譲渡を受けて平穏・公然に5年間占有した場合、Cが占有の開始時に善意・無過失であれば、Bの占有に瑕疵があるかどうかにかかわらず、Cは10年の取得時効を主張できる。

解説:×・・・上記の民法187条1項のように5年(B)+5年(C)となり、10年となるが、上記、民法187条2項より、Cは、Bの瑕疵を承継するので、本肢「Bの占有に瑕疵があるかどうかにかかわらず、」は誤りで、Cは10年の取得時効を主張できません。

4 Cが期間を定めずBから土地を借りて利用していた場合、Cの占有が20年を超えれば、Cは20年の取得時効を主張することができる。

解説:×・・・所有の意思を持ったない土地の占有は、所得時効を主張することはできません。土地を借りる行為は、所有の意思ではない。

1 Bが平穏・公然・善意・無過失に所有の意思をもって8年間占有し、CがBから土地の譲渡を受けて2年間占有した場合、当該土地の真の所有者はBではなかったとCが知っていたとしても、Cは10年の取得時効を主張できる。

解説:○・・・占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。(民法187条1項)つまり8年(B)+2年(C)となり、10年となる。また、Cが知っていた点については、民法187条2項では、「前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。」と規定されているので、Cの善意悪意は、関係ありません。

選択が必要

3 Aから土地を借りていたBが死亡し、借地であることを知らない相続人Cがその土地を相続により取得したと考えて利用していたとしても、CはBの借地人の地位を相続するだけなので、土地の所有権を時効で取得することはない。

解説:×・・・Cが、所有の意思のない占有(土地を借りていたB)の承継をしても期間の短縮はありません。しかし、Cが新たに所有の意思を持って占有を開始すると土地の所有権を時効で取得することができます。

Question 3

【問 14】 不動産の表示に関する登記についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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選択済み

2 表題部所有者について住所の変更があったときは、当該表題部所有者は、その変更があった日から1月以内に、当該住所についての変更の登記を申請しなければならない。

解説:×・・・表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は、申請することができない。(不動産登記法31条より)「1月以内」という規定はない。

選択が必要

4 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。

解説:○・・・建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。(不動産登記法57条より)

3 表題登記がない建物(区分建物を除く。)の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。

解説:○・・・新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。(不動産登記47条1項より)

1 土地の地目について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1月以内に、当該地目に関する変更の登記を申請しなければならない。

解説:○・・・地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。(不動産登記法37条1項より)

Question 4

【問 8】 弁済に関する次の1から4までの記述のうち、判決文及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

(判決文)
借地上の建物の賃借人はその敷地の地代の弁済について法律上の利害関係を有すると解するのが相当である。思うに、建物賃借人と土地賃貸人との間には直接の契約関係はないが、土地賃借権が消滅するときは、建物賃借人は土地賃借人に対して、賃借建物から退去して土地を渡すべき義務を負う法律関係にあり、建物賃借人は、敷地の地代を弁済し、敷地の賃借権が消滅することを防止することに法律上の利益を有するものと解されるからである。

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4 借地人が地代の支払を怠っている場合、借地上の建物の賃借人が土地賃貸人に対して地代を弁済すれば、土地賃貸人は借地人の地代の不払を理由として借地契約を解除することはできない。

解説:○・・・債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない。 (民法494条第1項より)第三者も弁済できる以上、弁済されたら借地契約を解除することはできません。

1 借地人が地代の支払を怠っている場合、借地上の建物の賃借人は、借地人の意思に反しても、地代を弁済することができる。

解説:○・・・利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない(民法474条第2項より)つまり、利害関係を有している場合は、債務者の意表に反して弁済することができます。

選択済み

3 借地人が地代の支払を怠っている場合、借地上の建物の賃借人は、土地賃貸人の意思に反しても、地代について金銭以外のもので代物弁済することができる。

解説:×・・・債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。 (民法482条より) つまり、債権者が意思に反している場合は、代物弁済はできません。

選択が必要

2 借地人が地代の支払を怠っている場合、借地上の建物の賃借人が土地賃貸人に対して地代を支払おうとしても、土地賃貸人がこれを受け取らないときは、当該賃借人は地代を供託することができる。

解説:○・・・債権者が弁済の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、弁済をすることができる者は、債権者のために弁済の目的物を供託してその債務を免れることができる。弁済者が過失なく債権者を確知することができないときも、同様とする。(民法494条より)

Question 5

【問 13】Aが所有者として登記されている甲土地上に、Bが所有者として登記されている乙建物があり、CがAから甲土地を購入した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

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選択済み

4 BがAとの間で期間を定めずに甲土地の借地契約を締結している場合には、Cは、いつでも正当事由とともに解約を申し入れて、Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できる。

解説:×・・・借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。 (借地借家法3条)より、正当事由により、解約の申し入れができるわけではない。

選択が必要

3 BがAとの間で甲土地の借地契約を締結しており、甲土地購入後に借地権の存続期間が満了した場合であっても、Cは、Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できない場合がある。

解説:○・・・借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。(借地借家法5条)より、自動更新されている場合は、明渡し請求できない。

1 Bが甲土地を自分の土地であると判断して乙建物を建築していた場合であっても、Cは、Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できない場合がある。

解説:○・・・土地の所有権を時効により取得している場合、土地を明け渡すよう請求できない

2 BがAとの間で甲土地の使用貸借契約を締結していた場合には、Cは、Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できる。

解説:○・・・借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。 (借地借家法10条1項)より、しかし、本肢は、使用貸借契約であるので、建物が登記された状態でも第三者に対抗することができない。

Question 6

【問1】次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

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3 債務の履行のために債務者が使用する者の故意又は過失は、債務者の責めに帰すべき事由に含まれる旨

1 賃借人の債務不履行を理由に、賃貸人が不動産の賃貸借契約を解除するには、信頼関係が破壊されていなければならない旨

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2 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨

選択が必要

4 債務不履行によって生じた特別の損害のうち、債務者が、債務不履行時に予見し、又は予見することができた損害のみが賠償範囲に含まれる旨

Question 7

【問 14】AはBとの間で、平成16年4月に、BがCから借りている土地上のB所有の建物について賃貸借契約(期間2年)を締結し引渡しを受け、債務不履行をすることなく占有使用を継続している。この場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

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選択済み

1 Bが、Cの承諾を得ることなくAに対して借地上の建物を賃貸し、それに伴い敷地であるその借地の利用を許容している場合でも、Cとの関係において、借地の無断転貸借とはならない。

解説:○・・・借地上に建てた建物を第三者Cに賃借しても、土地を転貸したことになりません。

4 平成18年3月に、借地権が存続期間の満了により終了し、Aが建物を退去し土地を明け渡さなければならなくなったときは、Aが借地権の存続期間が満了することをその1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、Aの請求により、Aがそれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。

解説:○・・・借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において、借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその一年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。(借地借家法35条1項)より

3 平成18年3月に、借地権がBの債務不履行により解除され、Aが建物を退去し土地を明け渡さなければならなくなったときは、Aが解除されることをその1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、Aの請求により、Aがそれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。

解説:×・・・債務不履行により解除された場合、期限の許与は認められません。

選択が必要

2 借地権の期間満了に伴い、Bが建物買取請求権を適法に行使した場合、Aは、建物の賃貸借契約を建物の新たな所有者Cに対抗できる。

解説:○・・・不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。 (民法605条)より
建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。(借地借家法31条1項)より

Question 8

【問13】建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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4 管理者が、規約の保管を怠った場合や、利害関係人からの請求に対して正当な理由がないのに規約の閲覧を拒んだ場合は、20万円以下の過料に処せられる。

正しい。区分法33条1項、2項、71条1号2号に定めているとおりである。

選択済み

2 専有部分が数人の共有に属するときの集会の招集の通知は、法第40条の規定に基づく議決権を行使すべき者にすればよく、共有者間で議決権を行使すべき者が定められていない場合は、共有者のいずれか一人にすればよい。

正しい。区分法35条2項に定めているとおりである。

1 区分所有者の団体は、区分所有建物が存在すれば、区分所有者を構成員として当然に成立する団体であるが、管理組合法人になることができるものは、区分所有者の数が30人以上のものに限られる。

誤りで正解。区分所有者の団体は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることにより法人となるのであって(区分法47条1項)、区分所有者の数が30人以上のものに限られるわけではない。

選択が必要

3 建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合、規約で別段の定めがない限り、各区分所有者は、滅失した共用部分について、復旧の工事に着手するまでに復旧決議、建替え決議又は一括建替え決議があったときは、復旧することができない。

正しい。区分法61条1項、4項に定めているとおりである。

Question 9

【問 10】 AがBから事業のために1,000万円を借り入れている場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

Your answer選択フィードバック正解

3 Aが死亡し、相続人であるDとEにおいて、Aの唯一の資産である不動産をDが相続する旨の遺産分割協議が成立した場合、相続債務につき特に定めがなくても、Bに対する借入金返済債務のすべてをDが相続することになる。

解説:×・・・資産である不動産をDが相続するだけであり、遺産分割協議が成立していないので、借入金返済債務のすべてをDが相続することには、ならない。

2 AがCと養子縁組をした場合、CはAのBに対する借入金債務についてAと連帯してその責任を負う。

解説:×・・・養子縁組をしても、借入金債務について連帯してその責任を負うわけではない。

選択済み

4 Aが死亡し、唯一の相続人であるFが相続の単純承認をすると、FがBに対する借入金債務の存在を知らなかったとしても、Fは当該借入金債務を相続する。

解説:○・・・相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。(民法920条より)借入金債務の存在を知らなくても、相続します。

選択が必要

1 AとBが婚姻した場合、AのBに対する借入金債務は混同により消滅する。

解説:×・・・ 債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。 (民法520条より)同一人とは、相続した場合である。

Question 10

【問 1】 行為能力に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

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選択済み

1 成年被後見人が行った法律行為は、事理を弁識する能力がある状態で行われたものであっても、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りではない。

解説:○・・・成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。 (民法9条より)

選択が必要

2 未成年者は、婚姻をしているときであっても、その法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は、取り消すことができる。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りではない。

解説:×・・・未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。 (民法753条より)つまり、この法律行為は、取り消すことはできません。

4 被保佐人が、保佐人の同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでした土地の売却は、被保佐人が行為能力者であることを相手方に信じさせるため詐術を用いたときであっても、取り消すことができる。

解説:×・・・制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。 (民法21条より)

3 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につき、4親等内の親族から補助開始の審判の請求があった場合、家庭裁判所はその事実が認められるときは、本人の同意がないときであっても同審判をすることができる。

解説:×・・・本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。(民法15条2項より)

randomness